366の真実

第1章【ARTERY】より

【愛・自由】
☆僕は愛に心を引き裂かれた。なのにまだ愛を求めている。
心脅えることのない愛を探しているんだ。(1991/月刊カドカワ2月号)

☆愛という言葉よりもっと露骨で具象化されたものが僕らの間にはある。
それは互いの身勝手さだけだ。
そしてそこにようやく愛情という温もりが用意されていて、
僕らはそこに逃げ込む。
ねぇ愛って何なんだ。(1991/月刊カドカワ1月号)

☆何よりも大切なのは愛。心が求めているのは安らぎ
安らぎは笑顔。笑顔は優しさ。(1991/月刊カドカワ2月号)

☆誠実さは諦めの中には生まれない。
この世には本当にかけひきのない愛がある。
それを探してほしい。
それを見つけることはとても難しいかもしれない。
何故なら僕は失格者になってから初めてそれに気付いたんだ。
だから遠回りすることも多いかもしれない。でも負けないでほしい。
きっと、きっと探し続けるその先に見つかるはずだから。(1991/角川書店)


☆君の悲しみが少しだけ見えるよ。
君が何をどんなふうに工夫をこらしても、みんな、何もかも
まるで悲しみの代償みたい、そんな気がするんだ。
笑ってもいいし、怒ったってかまわないんだ。(1986/角川書店)

☆せまい意味での・・・”恋愛”でいうならば、僕はつねに愛に飢えている。
自分の命を捨ててまでも愛しぬいてくれる、
そんな母親の愛に近いものを、いつも求めているような気がします。(1985/集英社)


☆人を愛するために、自分は命をかけて人と接していかなければいけないんじゃないか。
少なくとも自分に何かを与えてくれる人や、自分に触れ合う人に対して
自分を愛するのと同じように愛していかなければいけないんじゃないのかと思っている。
だから少なくともそんな人のためには命を張っていきたいと思っている。

☆ラブソングを作る時にドロドロした事が見えたほうがいいという気持もあるんだけど
たわいもない抽象的な表現に隠された本質みたいなものが
例えるなら愛っていうことになるんじゃないのかなぁ。(1994/アイソトープ)


☆孤独になることも、淋しくなることも誰にも理解されないことも
それは思うように生きる事の、
その代償なのかもしれない。(1986/誰かのクラクション)

【家族】
☆子供の成長をみていて思ったんだ。
人間なんて所詮いつまでたっても子供のままさ。
色々なことを覚えていくことは
一人で生きていかなければならない宿命の現われだろう。
大人を見て育ってきた。
けれど子供に教えられたよ。必死に生きようとする人間のあがきをね・・・。(1991/角川書店)


☆小さな小さな家で生まれ、大きくて暖かな愛の温もりの中で育った。
小さな焚き火が出来る程の庭があった。
庭は二メートルくらいの高さの正木という常緑広葉樹で出来た垣根に囲まれている。
一面を真っ白にする冬の雪化粧も、蝶を舞い込ませる春風も
照りつける真夏の日差しも、空気の縮んでゆくような秋の気配も、
季節は全てその庭に訪れ僕に顔を見せた。(1991/角川書店)

☆母は、一人闇の中に取り残され置いてきぼりになって泣きじゃくっていた僕の、
熱にうなされた体を抱きしめ、一言こう囁いた。「ごめんね」
その声は天使の囁きよりも優しかった。
そこに僕の母がいる・・・それはとても暖かな夜だった。(1991/角川書店)


☆間違える度に吹き直す父の背中には、望郷の思いが溢れているようだった。
見つめていると涙がこぼれた。
父が何度も間違えるからじゃない。
練習時間が終るのを待っているのが長くて辛かったわけでもない。
尺八の音色を高めながら、父がそっと心を開いているのが分かったからだ。
優しいな。そう思いながら僕は涙を堪えた。(1991/角川書店)

【幸せについて】
☆世界は平和でなければならない。
平和とは生きている間にそれを真っ直ぐに見つめることだろう。
何故なら全てのものが形こそ違えているが、幸せを求めているからだ・・・。
(1990/月刊カドカワ12月号)


☆優しい朝陽のつぶやきで
僕を目覚めさせてほしい
昨日までの涙をぬぐい去るために
僕を抱きしめてほしい
僕らが求めている
何よりも大切なものは
純粋な心なのだから・・・(1990/月刊カドカワ7月号)

☆人ひとりが幸せになるか、不幸になるかは、そばにいる人の
ちょっとした優しい言葉だったりすると思うんだ。(ポップティーン)

☆幸せになりたいという欲求は、誰もが持つひとつの定義だろう
それがひとつに成りえない時、
自分以外のもうひとつの幸せの欲求はエゴに成りえる。
そしてエゴが自分と相手との間に存在する
コミュニケーションだと知るかもしれない。自分もまたエゴであると。(1991/GB5月号)


【作品をつくること】
☆自分が「卒業」を歌った時に子供の代弁者と受けとられた。
じゃ、わかりました、今度は大人の立場になって、
子供に何かを伝えられるような、子供と一緒に共同して
作っていけるような歌を作りましょうって心に決めていた。(月刊カドカワ7月号)


☆つくづく自分が最低な男なんだなって思ったんだ。
でも逆に最低になればなるほど、自分の中からコトバがでてくるんだ。
こういうふうにならなきゃ、歌が書けないのって、
イヤだなと感じたりもする。(プチセブン)

☆ぼくは、手を広げて生きている人と、
逆に隅っこに隠れて生きている人と、
自分の中にもその二つのタイプの人間がいると思うから、
どっちの心にも通じるものを言葉にできたらいいなと思う。(月刊カドカワ7月号)


☆ぼくの歌いたい言葉は何ひとつ完結していない。
表現者が本当に表現できるものというのはひとつしかないけどね。
時間を経るにしたがっていろいろ形を変えてゆくんだ。
粘土で形を変えながら作り上げていくみたいにね。
表現しなければいてもたってもいられないのが表現者たるゆえんなんだ。
それ以上でもなければ以下でもない。(月刊カドカワ6月号)

☆どうしようか迷ってしまうんだ。
優しさや生きることがいったい何なのか心にとっては心は生きている。
僕はまだ今自分がROCKN’ROLLになりたいってことが何なのかわからない。
ただとっても淋しいものだろう。
でもとっても楽しくしてもやれる
僕らは幸せになるために物質と精神の中で生きている(エッジオブストリート5℃)


【ファン】
☆もうすぐ君に会えるから、その時になったら
今までのことを色々と聞いてもらいたいな。
上手に話したり歌えるかどうか分からない。
でも精一杯やるさ。(1990/角川書店)

☆誰もが一人で生きる強さを求める。
誰もが何かに頼って生きる。
きっと僕と同じ護送バスに乗っている芸能人も、職場のような人生と戦っているんだろう。
それを取り囲むファンはその闘う姿に、何かを見つけるんだろうね。(1991/角川書店)


☆あらゆる神経を減らしてここまで来た。
それも何もかも、僕が本当に君に会いたかったからなんだ。
分かってくれるか。
いい加減で、自分勝手だったが辛かった。
まるで歌の文句みたいさ。本当にね・・・。
昨日までのことを忘れる為に生きてきたわけでもなければ、
明日を夢見る為だけに生きてきた訳じゃない。
今日っていう日を精一杯生きることが全てなんだ。(1990/角川書店)

☆君がその状況に陥る前に伝えたいんだ。よく聞いておくれ。
一人で生きることの大切な意味を・・・。
出会いや触れ合いや人との繋がりは財産だ。
本当の自分を見つける手だてにもなれば、嵐から身を隠すシェルターにもなる。
ちっぽけな自分と見失ってしまいそうな君。
幸福を知るために犠牲にしてきたものもあるが、君を失いたくない。(1990/角川書店)


☆ステージからみんなにプレゼントをしてるつもりなんだ。
たとえばリズム、たとえば言葉、たとえば心。
少しでも多くの人が、それをギューっと受け止めてくれたら、いいね。(1986/集英社)

☆「永遠の胸」でも言ってるんだけれども、その、僕を求めるものがあるならば
僕が会えた、幸せになるために得た、すべての術を君におしえてあげよう
っていうような気持を、いつまでも持ち続けたいと思う。(1991/ソニーマガジンズ)


☆君に、誰一人も信用出来ない人間になってほしくない。
嘘をついたりしてほしくない。
人を騙したり、陥れたり、脅かしたりしてほしくない。
模範的な人間になれといってるんじゃないんだよ。
ただ、深い傷を知るものは希望も深いということなんだ。(1991/ソニーマガジンズ)

☆俺は不眠症。
俺の人生は腐りかけた果物のようだ。
目覚める時激しい動悸に狂いそうになる。
明け方、ようやくホテルに戻りベットのシーツにくるまった。
たった一人。
でもいいんだ。
目覚めて、少しだけ胸を痛め苦しんだら皆に会える。
そしたら一生懸命歌うんだ。(1991/ソニーマガジンズ)


☆僕はこの世界で生きている。
生まれた事に意味があるなら、僕を求めるものがあるならば、
この世界で覚えた戦いと幸せを伝えたい。
君と生きていくことすらも分け合えたらいいのに。
ごらん人の心にはたくさんの他の人の気持が宿っている。
僕は君のためにそれを受け止めたいんだ。
この場所からずっと・・・。
君のためにも僕はここにいるから・・・。(1990/角川書店)

☆ラスト・ティーンエイジ・アピアランス。
最後ではなかったんだけど、自分の意識のなかでは二十歳を越えて
次のステップに踏み出す時「お前らどうしてわかったくれなかたんだろう」
と考えた時に、僕はいつか必ずこの自分というものの概念や
価値観をゼロにしてもいいから、もう一度君達と対等に話をしたいと思った。
そのために全てを捨てたんだと思う。


☆オレはおまえらのことなんか、わからない。
自分自身だって、これからどうなるかわかんないよ。
みんな、好奇の目で見てるんだろ。
オレになんか期待すんなよ。
・・・だけど。こんなこというと、また誤解して、
オレに傷つけられたって、・・・言うんだ。(1984/集英社)

☆この六年間君に歌う日を愛し待ち続けた。
夜空に向かって、人の欲望が生み出すもの全てに祈った。
いつまでも歌いたい、
伝えたい覚えた全ての生きる証を・・・。
これが僕の約束。この祈りが約束の日。(1991/アイソトープ)


☆覚えているかい
僕と貴方が初めて出会った頃のことを
きっと上手くいく
そう信じるんだ
回り道もするだろうけれど
これから僕らの歩む軌跡は何も無駄にはならない
悲しみはじっと凍てつく壁を見つめている僕と貴方の様
そしてそれが始まりで今はそれが全てのように思えるが
でも覚えておいてほしい
これから僕と貴方が
どれだけ空の広さを数え喜びを分かち会うかを・・・(1991/アイソトープ)





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